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The Beach Boys『Surf's Up』

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ブログを開設後1つ2つ記事を上げて早数か月、別に忘れていたわけではないが、ただ何となくほったらかしにしてしまった。

今朝、朝刊を郵便受けから取り出し、冷蔵庫のチョコパイを1個。モグモグほおばりながら2階にある寝室に戻ったら、妻に新聞を渡し、またベッドに潜ってから、ひとしきりボーっとする。そんな毎朝のルーティーン。

50を過ぎたおっさんの朝食がチョコパイとは、何という糖尿病予備群。
会社に行きたくない気持ちを抑えつつ、意を決して横たわりながらも髭を剃り始めると、新聞を見た妻が言った。

「ブライアンって、お前のブライアン?」

最近では妻と一緒の部屋で洋楽をかけるなんてこともなくなってしまったが、昔はよく勝手にCDを流していたので、妻は私の音楽趣向を何となく知っている。自分はすっかり爆睡してしまったブライアンの自伝映画『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』も今から10年ほど前に一緒に観に行っているという事もあり、「ああ、ブライアン・ウィルソンが亡くなってしまったのだな…」と瞬間的にすぐ理解した。

享年82歳だという。人によって感覚は大分変ってくるのでしょうが、自分にとっては「思っていたより、若かったのだな」という感じ。

70・80年代はいろんなカルチャーが今以上に身近な存在だったから、歌謡曲はもちろん、洋楽や映画も我々の生活の一部でもあった時代だったと思う。だから洋楽に興味がない小学生さえ、何人組なのか知らなくても『サーフィンUSA』くらいは知っていたし、ビーチボーイズというグループが旧時代的にちょっと古臭くてダサいニュアンスで受け止められてしまう空気感は子供でもキャッチすることができた。

中学を卒業する頃、「マイケル・ジャクソン」「Bon Jovi」等流行りの洋楽だけではなく、ビートルズ経由で少しずつロックを知るようになってから後々分かるのだが、自分が生まれた年くらいにはビーチボーイズ・リーダー、ブライアン・ウィルソンはもうすでにセミリタイヤ状態、私がビーチボーイズのそのポップな音楽性に目覚めた頃、ようやくブライアンは長い隠遁生活から抜け出し始めたまさに “生ける伝説” だったのだ。

恥ずかしながら、ある種の「終わりのない中二病」みたいなもんで、田舎の孤独なコミュ障学生にはブライアンやシド・バレット、ピーター・グリーン、リー・メイヴァース等あっちの世界に行ってしまう人、ニック・ドレイク、ピート・ハム、イアン・カーティス、カート・コバーン等自ら命を絶ってしまった人、純粋であるがゆえの孤独を背負ってしまった人間達に惹かれずにはいられなかった。今なら胸倉掴んで、一言「生きろ!」とブン殴りたくなると思いますが…。

だからこそ1999年頃からのアメリカのパワーポップバンド、ワンダーミンツとの出会いに端を発する精力的なライブツアーによる大復活には驚かされた。が、実はその時の私自身はというと洋楽自体への興味がもう薄れていた。彼らの協力のもと完成させた「SMiLE」なんかも聴いていない訳ないのに、記憶にない。どういう事か?

90年代はCDが良く売れた時代なだけあって中古CDショップも沢山あった。大宮で500円で買ったブライアンの1stソロが(商業的にはアレだったにしても)思わぬ超名盤だったのに度肝を抜かされた記憶も、西新宿のブート屋で買った「Sweet Insanity」のブライアンの衝撃的な海パン姿も思い出されます。

当時の彼女に「ブライアン・ウィルソンが海嫌いだから、俺も海が嫌い」と意味不明の発言をして、ドン引きされた事もあった。そんなに大好きだったはずのブライアン・ウィルソンの復活劇が本格的に始まった頃には、これもまたガチのブライアン党に怒られてしまうのであまり言いたくはないが言ってしまおう。

市井紗耶香に夢中になってしまった。そうあの1日限りの国会議員でお馴染みの元モー娘。メンバーの市井紗耶香。加入当初の少し影のある美少女感も良かったが、やはりショートになった1999年『真夏の光線』の彼女が素晴らしい。そしてラブマ以降「国民的アイドル」の称号を得たモーニングはさらに面白い存在になるわけだが、またそれは別の機会に。

個人的に2001年には結婚をしているので、有り体に言ってしまえば自分は「大人」になってしまったのだ。
それまでの様に稼いだお金を好きに音楽へとつぎ込む事も出来なくなり、TVとビデオで一先ず事足りるアイドル、しかもサブカル的な視点からもより楽しめるアイドルグループの出現により、モラトリアム脱却を半強制的にせざるをえなかった。

1998年の「Imagination」はあのAORっぽい感じで “ヨーイマージネーション!!ラーニン、ラーニン♪…” と微妙にギリ歌えたのに、2004年の完成版「SMiLE」が思い浮かばないという事は「何となく」でしか聴いていなかったという事なのだろう。

気が付けば《ロックの名盤:ペットサウンズ》《天才ブライアン・ウィルソン》という評価が定まり、一時期は古い音楽の代名詞のように扱われたTHE BEACHBOYSの歴史が実はとんでもないロックなグループであったという事実も多くの人に知られるようになった。

そろそろブルース・ジョンストンのメロディーはもちろんの事、マイク・ラブの声についても再評価が進んでもいいのではないかとか思わなくもないが、今日のところはまぁ止めておこう。

自分は「スマイル至上主義者」ではないので、人々に音楽として薦めるなら普通に『Disney Girls』を聴かせたいのだが、雨が降っているのか、いないのかよく分からないスッキリしない今日みたいな日には何となく『Surf's Up』を聴こう。ブライアンは一部しか歌ってないけれど、カールの歌も素晴らしい。子ども達の歌、それはブライアンの精神の鎮魂歌。この五感を刺激するメロディーの美しさに果たしてどれくらいの人が気付いてくれるのだろうか?

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